カフェ日月

2014年11月16日を以て、

『小さなカフェ 日 月』

は閉店致しました。

『小さなカフェ日月(ひつき)』は3年前、穀菜食の食事処kitchen genの姉妹店としてスタートしました。

『日月』という店名は、陰陽の代表とも言うべき『太陽』と『月』から名付けました。

『気軽に『穀物菜食』に触れていただけるように』
がコンセプト。
しかし、店の様相には少しこだわりました。
gen同様、店先や店内は殆どが廃材のため、規模にもよると思いますが、一般の人が店を出すよりも、大袈裟ではなく、多分1/10以下の費用でできます。

要所、要所を手伝ってもらいながら何とか仕上げました。
これは私の役割分担なんです。
しかし、私は決して器用ではありません。
子供の頃からそれがコンプレックスでもあります。
だから、こういう大工仕事的な作業が正直苦手です。
というより嫌いです。
だから、『下手』です。

でも、玄ノ里も、kitchen genも日月も全てやりました。
と、言うより、やらざるをえなかった。
昔から、
『金がなければ知恵を使え』
『知恵がなければ体を使え』
と、言いますが、まさに『それ』です。
その上、うちの場合、『できるかできないか』という選択肢が一切存在しません。

『やるのみ』

これ以外ないんです。

お陰で、かなり色々な事を経験できます。

まぁ、そんな店でも何とか壊れずに、お客さんに利用していただけたのだから『良し』としたいと思います。

そんな日月も、店舗探しの際は苦労しました。
散々歩いて、散々探して、『いいなぁ』と思う所は高くて手が出ない。
そんなこんなで結局今の場所に決めた訳ですが、その時点で契約する際の提示されている敷金、礼金、前家賃に必要な資金はありませんでした。

『はぁ?』

って感じですよね。

よく言われます。

資金がないのに店内を見せてもらい、色々と説明を伺い、こちらの要望まで話し、検討すると帰ってくる。
そして、『ここにしよう!』と本気で決める。
すると、不動産会社から連絡があり、『こんな御時世ですから、家主さんとも相談して当面の間は家賃半額でという話しになったんですが如何でしょう?』となる。

『ありがとうございます!宜しくお願い致します!』

というわけで半分の資金で借りられることになりました。
どういう訳か、何をするにも似たような感じで事が運びます。

そして、約一ヶ月、内外装の工事をし、晴れてオープン。
3年前の11月3日でした。

試行錯誤の中、色々な事がありました。
『玄米おかゆぱん』というほとんど見た事もない、聞いた事もないようなものをメインに掲げ、殆ど店長一人で切り盛りしてきました。
本当によくやって来たと思います。

私はよく『うちはその辺のブラック企業には負けない!』と冗談混じりに豪語しますが、労働時間、給与、休日等の待遇だけを見れば、実際『その辺のブラック企業はめじゃない!』と言い切れると思います。
正直、一般的な人ではまずやっていかれません。

では、うちのスタッフはそんな状況下で何故がんはることができるのか?

ブラック企業と言われる企業の労働時間、給与、休日等が、何故、悪条件になるのかと言えば、少しでも売り上げを上げ、コストを抑えていかに利益をとるか。
これに尽きます。

うちは料理にとって一番必要な『手間と時間』を確り使います。
だから、労働時間は長い。
平均16時間くらい。
イベント等がある日はほほ徹夜状態が普通です。
そして、それはスタッフ自身が自主的にやっています。

粗悪で安価な調味料、食材を使用しません。
だから、原価が飛び抜けて高い。
食事は人の命をつくる必要不可欠な大切な行為です。
それは例え外食であっても同じ事です。
食する人の体をつくる『食事』を提供する訳です。
まして、代金を頂くからには絶対的にこちらに責任があります。
薬品で作られた安価な業務用調味料等を使う訳にいきません。
コストを抑える為に中国等の粗悪な輸入食材を使う訳にいきません。
だから、必然的に原価は高くなります。

自らの肉体を使い、全身全霊で取り組みます。

そんなうちの環境を知った人、見た人は、必ず

『綺麗事言ったって始まらない』
『現実を見ろ』
『社会に則した運営をしろ』
と言われます。

そして、私はその方々にそっくりそのまま同じ言葉を返します。

個人の金銭欲や、ステイタスや、下らないその類いのものを無くして真剣に世の中を見れば、自ずと出る答えが今な訳です。

だから、私達の携わる仕事は『人に仕える事』ではなく、『志をもった事』即ち、『志事』でなければならない。
うちのスタッフ一人一人がそれぞれの『志』を持ち、それぞれの『誇り』を持って取り組んでいます。

ここが、ブラック企業との大きなちがいではないかと思っています。

そして、来年の春。
この力を持ったスタッフ達が、安曇野にて『日月』が進化した『食養の宿と食事処』をスタートします。
建物は明治の時代に建てられた古民家。
何せ古い家で大変な状況なので、ゴミ捨て、掃除から始めなければなりません。
そしてまた、スタッフ自ら内外装をやり、庭を造り、一から始めます。

その為、一つは2店舗を運営しながらの作業が物理的に不可能なため。
二つ目は、現在のスタッフで来春から3店舗を運営する事が、これも物理的に不可能なため。
『じゃぁ人を増やせば?』
となりますが、先程も言った通り、うちの場合普通の人では勤まらないのです。
それに、状況が状況だけに、即戦力でなければなりません。
そんな理由から、この時期早めに『日月』を閉め、新天地に集中しようということにしました。

彼、彼女らは更に進化します。
そして、本気で『真の意味』で世の中に尽くそうとしています。

来年の春を是非楽しみにしていて下さい。

『小さなカフェ日月』3年間御愛顧いただき、本当にありがとうございました。
心から御礼申し上げます。

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